予定
夏に夕立はつきもので、激しく降っている。
自分は、ちょうど畑で除草剤を撒いており、汗を流していた。
すると、雨が降り出すもんだから、急いで帰ってきた次第であった。
「あーあ、やめればよかったものの……。」
「これで、効果がなくなるかも、ちゃんと空見らんと」
何気に降る気配があったのは確かだが、今日中にしておきたかったので、取り掛かってしまった。
ーー
大粒の雨がフロントガラスを叩き激しい音が鳴り響いている。
さすがに通雨だからと車内で止むのを待った。
汗と雨とでピッタリとへばりつく服が快適さをなくし、早く着替えたかった。
目の前の雨を見てシャワーを浴びたいとも思った。
空を見上げると黒い雲で埋め尽くされており、止む気配がなかった。
ハンドルに顔を伏せた。
横目で外を見た。
ボタボタと雨音が鳴っている。
微かにツンと匂いがする濡れた両手は、力が入っていた。
予定はうまいこといかないもんだな、除草剤も効かないだろうし、散布機も濡れたし、体は濡れるし、服は臭いしでこの後、夕ご飯の支度があるんだから、そのままで始めたくないからお風呂に入ると思うけど、入ったら入ったで何もしたくなくなるもんだから、不思議なものだ。
「入浴は1日の終わりを示す。」
今日は、何を作ろうか……。
カレーは時間がかかるし、素麺は手軽だけど、もっとしっかりと食べたい、料理のことを考えていると少しずつ雨が治ってきた。
止むと同時に母親が仕事から帰ってきた。
夕食を作ってもらうこととなった。
いつもは、遅く帰ってくるが今日は、早かった。
自分は、お風呂に入らせてもらうことができた。
家族がいれば、予定が潰れても、遅くなってしまっても、夕立にあってしまっても、協力して乗り越えていけるものだ。
小さなことでも、いずれ大きな塊となってそれは膨らんでくる。
力も湧いてきた。
風呂に上がると一緒に食事の用意をした。
一緒にカレーを作った。
カレーライスにして食べた。