休みたいけど
目を開けた。
ちょうど6時だった。
季節的に外は明るいので、自然に目を覚ましたところだった。
せみの声が聞こえている気がした。
体が重く痛みがあるのをなんとか上体を起こし立ち上がった。
パジャマを脱ぎ、着替えた。
階段を降りて、廊下の突き当たりの洗面台へと向かった。
向かう途中、台所で母が朝食を食べていた。
「おはよう」と声をかけた。
「おはよう」と答えてくれた。
洗面台に立つとコンタクトをつけて歯磨きをするのが流れだった。
そして、散歩に出かけるのであった。
家を出ると、快晴だというのがはっきりとわかった。
青々としていた。
家は、堤防沿いに建っているので、いつも堤防を歩く。
歩いていると坂道があり、おりていき、橋がある。
川が流れており、朝早くから近所の人が魚釣りをしていた。
橋を渡ると田んぼが至る所にある。
いつも歩くコースだ。
体が痛み、手でほぐしながら歩いた。
昨日の仕事でだった。
今日も仕事に行かないといけなかった。
仕事に行くのは当たり前だが、行きたくなかった。
今日は、休みたいと思っていた。
歩いている中、休む理由に頭を使った。
せみも、朝早くから仕事をしているものだとわかっている。
鳥もせっせっと動き回り仕事をしている。
母も仕事に出かけた。
仕事に行かないといけないんだと思い、憂鬱さを取り除こうとした。
急いで車に向かい、家を出た。
行けば気持ちも変わるものだった。