食べ物を探して
お腹が減ったので、何か食べるものはと家中探しては、見たものの何もなかった。
とは言っても探したのは、冷蔵庫の中だけであるが、適当なものは見当たらず、鳴るお腹を満たすものはなかったとは言っても、実際にお腹は鳴っておらず、ただお腹が空いているだけである。
げっそりと頬がこけているような気がして洗面台の鏡に立ってみた。
そんなにこけている様子はないが、何やら、不満そうな顔がいた。
こんなに自分の顔はうつむいていただろうかと心理的不満をもらした。
そんな顔だからお腹が空いていた。
いや、いつもの顔だ。
そういえばいつにもなくこんな顔になってきている。
何かに追われているような、崩れ去るような、攻められて身ぐるみを剥がされそうな気がしてやまなかった。
自分は何も悪いことしていないのに、どうしてこんな目にあってしまうのか。
借金で1日たりとも晴れやかになれない。
どうしてこんなことになったのか、自分はただお腹が空いてただけなのに……。