じゃがいも掘り
祖父に、じゃがいも掘りを手伝って欲しいと言われたので、一緒に畑へと向かった。
祖父は、もうお年なので掘る作業は自分だった。
盛り上がった部分にクワを横から入れて掘り起こすのだが、難しい。
立派なじゃがいもがなっており、楽しいのだが、クワの爪に刺さって台無しになる。
それでも、祖父は怒らず、にこやかに掘り起こされたじゃがいもをコンテナに入れて行った。
なんとか、全部掘り起こし一緒にコンテナに入れることになった。
じゃがいもは色々な形があり、楽しかった。
よくスーパーで買うキレイでまんまるしたものは見つからなかった。
次々と手に取って行った。
楕円形をして小判の形に見えたり、なんだか人間の形に見えたり、よく見るとタコの形に見えたりと面白みがあった。
祖父も次々と入れて行った。
両手で次々と入れて行く。
すると、スーパーで買うようなキレイでまんまるとしたじゃがいもがあった。
これは、うまくできていると思い、祖父に「手榴弾」と言って手渡した。
すると、にこやかな祖父が急に真顔になり、わしは、エースになりたかったと言って、ピッチングフォームをしだし、畑の東に流れている川をめがけて投げ込んだ。
自分は……。
すごく心配になった。