草とり
雨が降りそうにないので、仕事があると思う。
嫌なのだ……。
今日は、特にそんな気がしてやまなかった。
障子を開けて、空を見た。
降りそうなものなのになと感じながら、空では、風で雲がゆらゆらと動き、青天井がところどころ見えていた。
時刻を見ると、午前7時になろうとしていた。
休みなら、メールが来ており、今日何をしようかと決めているところだ。
もうアルバイトは休みにならないだろう。
今日は、どうしても行きたくなかった。
自分のアルバイト先は雨になると、休みになることが多い。
日頃の雨休みが好きだった。
と言っても、仕事がきついので休みが好きだというだけであった。
休む理由を考えた。
そうだ、庭のくさとりをしよう。
そう思い、予定があるので休みますという連絡をした。
今年、30にもなる人間がである。
布団にうずくまって、もう少し寝ようとしていた。
すると、少しずつ罪悪感なり焦燥感なりが押し寄せてきて、布団から飛び出した。
すぐさま、くさとりに取り掛かった。